トラベル懇話会 Travel Management Club
トップページご案内定款会費等役員と担務会員入会申込みお問合わせ
新春講演会 抄録
2005年 新春講演会
 
 
 
全旅協・二階会長と楽天トラベル・山田社長が講演
 
 
 

新春講演会では全国旅行業協会会長の二階俊博氏が「これからの観光業」、楽天トラベル代表取締役社長の山田善久氏は「楽天における今後の戦略」について語った。

 
相互での往き来が重要
 
政界きっての観光通であり、小泉内閣による観光立国宣言の実現にも深くかかわった二階氏は、講演の冒頭から観光促進への熱い思いを語った。「中国人旅行者の観光ビザの緩和に取り組んで6年になる。不法滞在者の問題など解決すべき課題があることは理解するが、日中友好の視点に立てば、ビザ問題は乗り越えていかねばならない事柄だ。昨年9月からビザ免除の対象地域が沿海州以外にも広がり3憶7000万人が対象となった。しかし、まだ10億人が残っている。彼らが『愛知万博を見たい』と思い立っても、『ビザがなければ駄目』では日中友好は成り立たない」。
今後の観光産業の発展には、日・中・韓のトライアングルの協力が欠かせず、また、海外旅行・国内旅行・インバウンドがバランスの取れたトライアングルを形成しつつ発展していかねばならないとする「2つのトライアングル」の重要性も強調した。 観光旅行が可能な人口は、日本が1億2000万人、韓国が4500万人、中国が3億7000万人、
観光促進への熱い思いを語る二階氏
台湾が2000万人で、日・中・韓トライアングル内の旅行マーケットの市場規模は5億5000万人を上回る。この市場規模から生まれる旅行需要を相互に取り込んでいけば、観光産業の発展が大いに期待できるというわけだ。また、アウトバウンドとインバウンドの相互作用の重要性については、「のこぎりを上手に使うには、押す力と引く力の両方が必要であり観光も同じ。一方的ではだめで、『往く』と『来る』の両方向でなければならない」と説明した。
観光基本法の見直しや、観光庁の創設にも言及した。観光基本法は1963年の策定以来、わが国の観光の基本理念として観光産業の発展を支えてきたが、法律ができてから40年が経過し実情と合わない点も出てきた。「現在の観光基本法の策定当時は、国内温泉地の発展が意識されていた。しかし、国際的な視野に立った基本理念を打ち立てるべき時期にきている」のである。二階氏はすでに北側国土交通大臣にも新しい基本法の必要性を説き、「省内に検討委員会を作って対応する」との返答を得ているという。
観光庁については、「現状では観光省は作れないが、国土交通省に観光庁を作る手がある。観光庁設立が急務であることを訴えていきたい」と意欲を語った。
05年は総合旅行サイトへ
 

一方、楽天トラベルの山田善久社長は「楽天における今後の戦略」について語った。
楽天トラベルは、01年にサービスを開始し、「旅の窓口」を運営するマイトリップ・ネットの買収・合併を経て04年9月には「旅の窓口」と「楽天トラベル」のサイト統合を果たした。現在の取り扱い宿泊施設は国内1万4000軒以上、海外1万1000軒以上となっており、予約実績は3カ月で397万9000予約(キャンセル前)で、年間20~30%増のペースで売り上げを伸ばしている。04年度の取扱予想は、キャンセル後の実績で850億~900億円。宿泊人数規模は年間1292万4000人(03年10月~04年9月)に達する。こうした現状について山田氏は「JTBが頭抜けているが、楽天トラベルもやっとトップ10入りが果たせたように思う。ほぼ宿泊のみでここまでこられたことは評価できる。宿泊人数規模ではJTBのほぼ半分。単価の違いはあるにせよ、人数的には意外に大きなシェアだ」と分析する。
04年9月のサイト統合により、楽天トラベルは総合旅行サイトへの第一歩を踏み出しているが、総合旅行サイトとしての基本戦略は「楽天グループとの連携の強みを活かすこと」であり「2800万人に達●●楽天グループ登録会員をいかにトラベルへ誘導するかがポイント」という。山田氏が挙げた具体策は、会員IDの統合と「楽天スーパーポイント」の活用である。「楽天スーポーポイント」は、予約した宿泊料金の最低1%をポイント還元する制度で04年8月からスタート。グループ戦略強化の一環として「05年1月からは楽天トラベルでスーパーポイントをためるだけでなく、利用することも可能にした」。

山田氏は楽天の将来構想を披露した
現在はホテル予約が中心だが、次はホテルと足回りの予約、さらに次のステップでは、『ホテルと足回りのパッケージ』●●」計画で、山田氏は「最終的には旅行の各要素を自在に組み合わせるいわゆるダイナミックパッケージを実現させたい」と将来構想を語った。
楽天トラベルとインターネットによる旅行事業の今後については、「旅行全体に占めるオンラインの取扱比率はまだ5~10%程度。残りが90%以上あり発展の余地は大きい。世界的にも動きが活発化しており、楽天トラベルが中国最大手のオンライン予約サイト『Ctrip.com』に資本参加したすぐ後に、業界最大手のIACが中国のナンバー2企業を買収した。世界的にも激しい競争が予想される」と展望。最後に山田氏は、楽天トラベルの今後の目標について[志は高く持ち、将来的には国際的な展開も視野に入れて発展を目指していきたい]と抱負を述べた。